React NativeとExpoの最新動向
本記事では、2025年2月24日現在のReact Native と Expo の最新動向について、これまでの進化や新機能、パフォーマンス向上の取り組み、開発体験(DX)の改善、さらには Flutter との比較や業界での採用状況など、幅広い視点から解説しています。React Native を5年前に利用されていた方や、Flutter への移行をご経験のある方にも、最新の情報をアップデートするための参考としてご活用いただける内容となっています。各項目には公式情報や関連資料へのリンクも記載していますので、詳細な検証や最新情報の確認にも役立ててください。
1. パフォーマンス向上
React Native新アーキテクチャの影響 近年、React Native (RN) は内部構造を刷新し、Fabric(新しいレンダリングシステム)や TurboModules(新ブリッジ機構)、Hermes(軽量JavaScriptエンジン)といった新アーキテクチャを導入しています。従来、JavaScript とネイティブ間で通信するために用いられていた ブリッジ(Bridge) を撤廃し、JSI (JavaScript Interface) により直接通信することで、データのシリアライズ/デシリアライズの負荷が大幅に削減されました。たとえば、カメラフレームなど大量データの受け渡しも、旧方式よりJSI経由のほうが圧倒的に高速に処理できます。 React Native Blog · React Native GitHub
Hermesエンジンの貢献 Hermes は React Native 向けに最適化された JavaScript エンジンで、バージョン 0.70 以降はデフォルトで採用されています。これにより、アプリの起動時間短縮、メモリ使用量削減、アプリサイズの縮小が実現されています。2024年には Hermes 自体のアップデートにより、特に Android での起動時間短縮やメモリ消費のさらなる削減が図られました。さらに、将来的にはビルド時に JavaScript コードをネイティブの機械語へコンパイルする「Static Hermes」への試みも進行中です。 Hermes Documentation · Hermes Changelog
2. 新機能と改善点
Expoプラットフォームの最新動向 Expo は React Native 開発を支援するプラットフォームとして進化しており、最近は EAS (Expo Application Services) を中心に、開発からビルド・配布までの統合を目指しています。
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EAS Build クラウド上で iOS/Android のビルドを実行できるサービスです。2024年にはビルドインフラの刷新により、Android ビルドの平均速度が約40%高速化しました。 Expo EAS Build
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EAS Submit ビルドしたアプリを App Store や Google Play に直接提出できるサービスです。
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EAS Update OTA(Over-The-Air)で JavaScript やアセットの更新を配信できる仕組みで、特定のリリースチャンネルへの配信一時停止機能が追加され、運用面での柔軟性が向上しています。 Expo EAS Update
3. 開発体験(DX)の向上
ホットリロード/Fast Refresh React Native は、ソースコード変更時に即座に画面へ反映される Fast Refresh をサポートしており、Flutter の Hot Reload と同様に開発サイクルを大幅に短縮しています。 Fast Refresh Documentation
ビルドプロセスの高速化 Metro バンドラーの最適化により、JavaScript コードのビルド時間が大幅に短縮されています。また、Hermes エンジン採用により、Android での再ロード時間も短縮され、Expo を利用すればクラウド上でのビルドも可能なため、効率的な CI/CD が実現しています。 Metro Bundler
4. Flutterとの比較
パフォーマンス Flutter は Dart コードをネイティブコードに直接コンパイルし、Skia や Impeller によるレンダリングで高速描画を実現しています。一方、React Native は JavaScript を介するため、若干のオーバーヘッドが存在しますが、新アーキテクチャの導入で体感上の差はほぼ解消されています。 Flutter Performance
UI表現とネイティブ感 React Native は各プラットフォームの ネイティブ UI コンポーネント を使用するため、iOS や Android の標準的な見た目・挙動を自然に反映します。対して、Flutter は Skia 上に独自の UI ウィジェットを描画するため、プラットフォーム非依存の一貫したデザインが実現されますが、OS 固有の最新 UI 機能は React Native のほうが自動的に取り入れられる点が強みです。 Flutter for Desktop · React Native for Web
5. 業界の採用状況
主要企業での採用例 React Native は Facebook(現 Meta)が発祥の技術として、Meta 社内(Facebook、Instagram、Facebook Ads Manager など)で広く利用されています。また、Discord、Airbnb、Microsoft(Office アプリ、Teams、Xbox 向けアプリなど)、Pinterest、Walmart、Bloomberg ニュースアプリ、Wix、Tesla の車両アプリなど、大手企業やスタートアップで採用される事例が多数あります。 React Native Case Studies
総評 React Native と Flutter は、いずれもクロスプラットフォーム開発の主要技術として確固たる地位を築いています。React Native は Web との親和性、既存アプリへの組み込みや OTA アップデートなど運用面での柔軟性が強みです。一方、Flutter は一貫した UI 表現と高いパフォーマンス、マルチプラットフォーム対応が魅力です。最新のアップデートと今後の進化が期待されるため、2025年現在、どちらの技術も安心して採用できる状況です。